朝の歌(2018)

朝目覚めてお祈りを済ませ

青空が金色に溶けてく

善い人であろうと心から思う

今日は少しだけいい服に着替えて外に出てみようか

あの悪い獣が捕らえられたらしい

朝焼けは醜い夕焼けの烙印だから

肌の下に隠した赤い血を見せ

人である証を示して死ね

首くくりの枝葉が落日に焼かれ

空までもが茜に染まって

暁雲を身籠る。

カタカタ鳴る頭蓋を転がし

哲学者の真似事

言葉で固めた心は象牙に

剥がれ落ちたはずの不安がふと

閉め忘れたドアからこっちを覗き込み嗤う

迫害の朝に窓辺から見下ろすレミングス

先頭には僕に似た男がギタルを